頭の中では、「...カモ?」でした。
砂時計のご夫婦には、千春ちゃんというお嬢さんがいました。
目がぱっちりとしたところが、奥様の祐子さんとそっくりの小学2年生だったでしょうか。
苦楽園にあるフランス料理店のランチの時間に祐子さんに誘われて、千春ちゃんと3人で食事をした時のことです。
夕方から夜の時間、千春ちゃんにとってパパとママが仕事中なので、一緒に暮らしているおばあちゃんと過ごして、パパとママが帰って来る前にはもう寝る時間になります。
だから、店の定休日だけは、と言っても千春ちゃんは学校に行く日ですが、パパとママに甘えられる大切な日ですね。
だからこの日は、土日祝日だったのでしょう。
「千春は鴨でいいの?」「うん。いいよー。」と親子の会話。
裕子さんに「千春は鴨が好きなのよ。」と言われ、私はお目にかかったことのない鴨料理に、ふーんとうなずきながら、頭の中では、「...カモ?」でした。
鴨が好物と言うほど、このおませちゃんはもう食べ慣れているんですね。