遠距離恋愛の難しさ
毎日の生活に流されていくうちに、結論から先に言うと、遠距離恋愛は無理でした。
別に悪いことをしている訳でもないのに、玄関口にある固定電話で彼に電話するのに抵抗がありました。
連絡が取りづらいのは交際に対する大きな障害でした。
今のようにスマホがあればと、たらればを言っても終わったことです。
ひとつは距離が問題です。
せめて福岡と長崎ならと悔やんでも、出会った場所が違うのだからそれもナンセンスです。
その流れで父と母の話になります。
2人はお見合いと聞いていました。父の兄の奥さん、ですから私のおばちゃんの知り合いが母で、どなたかのお葬式の時に母を紹介された父が母に一目惚れ。
父は休日、八女茶で有名な福岡まで、まだ道路が整備されていなかったであろう長崎から福岡の田舎までブンブンスクーターを走らせ、母に会いに行っていました。
しかし、たかだか福岡と長崎の距離なのに、娘をそんな遠くに嫁がせたくないと、キンキンに堅い私のじいちゃんは反対し続けます。
そこに弟思いの兄、私のおじちゃんが俺に任せろとばかりに立ち上がり、父と2人でじいちゃんに説得に行き、晴れて結婚できたのでした。
夕飯時はいつも2人は兄貴と私が食べ終わり先に席を立っても、ずっと2人でお喋りをしていました。
兄が「よー、また話すことがあるなー。」と言い、私も「ねー。」と会話している2人がとても楽しそうで、
子供としては、親のもめごとで悲しい思いをしたことが全くなかったと、こんな事って後になって気付くものなんでしょう。
遠距離恋愛からごろっと話がそれましたが、父の熱烈な行動と、せっかくの縁が途切れないよう、叔父のサポートがあった兄弟愛に感動。
今の自分って、父がじいちゃんに懇願し、母を手に入れて生まれた証なんだと、
遠距離恋愛は無理でしたではなく、父のように諦めずに好きをオープンにすることが大事だったのかもと思いました。