やっしさんと奥さんのその後。

やっしさんの失踪、

思いもしないことでもあり、

単純に今までみたいにもう遊びに行けなくなった、

そんな他愛ない楽しみが無くなった。

主人の心にぽっかりと穴が開いたに違いないのですが、

寂しくなったねと、

そんな問題ではないので言葉を交せません。

あいつが俺に何も言わずに行ったのは

俺に言えば絶対にやめろと言われるからさ。

嫁さんとは暮らせなかったんだな。

ふーん。と一言。

じゃあ、なんで結婚したのか、

確かに、女性から好かれてその気がないのに、

全然タイプじゃないやん！と言ってやりたいけど

決めるのは本人だし、先輩だし

で、何となく結婚した人は何人か知っています。

肝心のやっしさんの行方は

その頃は当然携帯電話なんてなかったので

向こうから連絡がないことには

どこにいるのかさえわかりません。

気持ちは悶々としたまま月日は過ぎていき、

ようやくやっしさんから主人に電話がありました。

やっしさんは会社で知り合った子と

京都に住んでおり、風俗関係の仕事を立ち上げたそうです。

主人は「人の道を外れたことをして、奥さんには電話したのか」

と言うと、

やっしさんは

「もう顔も思い出せない」

と言ったそうです。

この言葉が凄くショックでした。

私たちより少し早く結婚したふたり。

大学時代付き合った流れで結婚したのに

それから何年もしないうちに

奥さんを悲しませる結果にしてしまうなんて。

その後奥さんは、そのアパートを退去して

地元の四国に帰りました。

薬剤師の資格を持っているので

地元でもすぐに勤め先は見つかるでしょう。

何とも切ない別れでした。