れっかの、あるあるブログ

~いろんなことあるけど、前を向くのをやめないでね~

心配かけたり、心配したり。

退院間近のその日、

トイレから出た所で目の前に

花を持った息子がいました。

 

「のり君⁉」

 

どうやってここまで来たんだろう・・・と

思うと同時に、

息子は怒った表情のまま、

 

「お姉ちゃんばっかりずるか!」

と言って、私に泣きついて来ました。

 

息子のことだから、

バス停3つ先にあるこの病院まで

無心で走って来たのでしょう。

 

幼い息子がよくまあ

地理感ももちろん無く、

何を目印にここまで来れたのか。

 

笑っちゃいけないのですが、

家から病院までの途中で

花を買ったのではなく、

 

病院に向かう反対方向の店に

わざわざ買いに行って

小さい体で私に会いに来たのです。

 

「お花ありがとう。

寂しい思いさせてごめんね、ごめんね!」

と息子を抱きしめました。 

 

それから気が済むまで一緒にいて、

タクシーに乗せて見送りました。

 

来てくれるだけで十分なのに、

自分のお小遣いで一輪挿しの花を買って

お母さんに会いに行くと、

幼いながら一生懸命考えてくれたんだと、

胸が熱くなりました。

 

 

 

それから無事に完治して退院後、

 

 

しばらくして子供たちを連れて

実家を訪ねました。

 

 

なんとなく気になっていたのが的中しました。

 

父の異変を心配して、

母が付き添い、病院で検査を受けた結果、

父はパーキンソン病でした。

 

聞きなれない病名でしたが、

筋肉が固くなっていき、

動きが鈍くなったり、

気力も低下していくらしく、

 

父の症状はその典型的なものでした。

 

何でもない所で倒れたり、

自力で起き上がれなくなります。

 

私や孫が来ても反応が薄く、

座っているソファーで自然に

うたた寝を長いことしてしまいます。

 

特に目に、覇気のなさが明白に現れます。

 

 

今は父の会社を兄が継いでいますが、

 

父が現役のころ、父の会社で

少しばかりアルバイトをした経験があり

朝礼で父が従業員に向けて話す姿は、

普段の父しか知らない私にとっては、

今の森保監督を彷彿させる程の

カッコよさを感じたものでした。

 

 

ゴルフがあれほど好きで、

トロフィーもう置くとこないよー、

と言う程持ち帰って来ていた父が。

 

 

子供たちは、実家の傍に住んでいる

兄の子供と4人でギャーギャー騒いで

遊ぶ中、

 

こんなに変貌した父に、

私は泣きだすと止まらなくなる

自分の涙腺をそっと押さえながら

涙を指で拭っていました。